日日是独身

30代ずぼら独女の、ゆるかったりしんどかったりする日常。

三浦しをん「舟を編む」

12月の…たぶん今年最後の1冊。


三浦しをん「舟を編む」

映画になった時に、面白そう…と思いながら忘れていたら
いつの間にか文庫になっていたので購入♪


期待を裏切らず、すごく読みごたえがありました!
言葉の奥深さだったり、会社の人間関係だったり…
色んな事にハッとさせられました。
※以下ネタバレ含みます。


とある出版社の、辞書編集部が舞台。
新辞書「大渡海」編纂のため、辞書編集部に異動になった「馬締(まじめ)さん」が中心に話は進みます。


たとえば、「右」という言葉をどう説明するか、というエピソード。
まじめさん「『ペンや箸を使う手のほう』と言うと、左利きのひとを無視することになりますし、『心臓のないほう』と言っても、心臓が右側にあるひともいるそうですからね。『体を北に向けたとき、東にあたるほう』とでも説明するのが、無難ではないでしょうか」


な、なるほど( ゚Д゚)
わたしなら「え、左じゃないほう」と言って終わりでしょう(笑)。


ほかにも、「のぼる」と「あがる」の違いをもっと明確にできないか…とか、「恋愛」を引いたときに「特定の異性に対し」と表記されているのはまずいのではないか…とか。難しいですね、言葉の意味を説明するって。


まじめさんの周りの人々もみんな個性豊かで魅力的。
わたしは、まじめさんの同僚の「西岡さん」にすごく共感してしまいました。
一見チャラそうで、でも実は気遣い屋で、あえてそう振る舞っているような人。そこに、不器用なままでも皆に認められていくまじめさんが来たら、…そりゃ複雑だ。


ひと昔前に読んでいたら、まじめさんに感情移入するあまりウザがってただろうな…と思うから不思議。なんだかんだ、両者分かり合っていい関係になるんですけどね。



この本を読んで、「辞書」のすごさを再認識したわけですが…。
引っ越し前に、古い辞書を断捨離してしまったのがちょっとだけ悔やまれました。ポケット辞書は持っているけど、説明が超簡素なんですよ(笑)。



今年の「読んだ本リスト」も明日あたり記事にしたいと思っています。
是非、皆様のも教えてくださいね(*^^)v


わたしは、狙ったわけではないのですが
今年の1冊目もラストも三浦しをんさんとなりました(笑)。