日日是独身

30代ずぼら独女の、ゆるかったりしんどかったりする日常。

近藤史恵「はぶらし」

1月の1冊。

近藤史恵「はぶらし」


去年からお気に入りの、近藤史恵さん。
期待通りおもしろかった!…のですが、
今まで読んだ作品が爽やかめだったのもあり、
ちょっと意外でした。


いや、こういうのも大好物ですよ(笑)。


以下ネタバレ含みまーす!



36歳、脚本家の鈴音。
ひとり暮らしの彼女のもとに、高校時代の同級生・水絵から連絡が。
離婚→リストラ、という目に遭った彼女は、
息子・耕太とともに「1週間だけ居候させてほしい」と申し出てくる…。
会うのは10年ぶりくらいなのに??


女同士の、しかもとくに親密ではない相手との共同生活。
そりゃーね、いろいろ食い違いますよね(苦笑)。


わたしは、親しい友達でも1週間はきついと思ってしまいます。
なのに水絵のような関係の子が…しかもちゃっかり延長…となったら。
しんどいな\(^o^)/


というわけで、ひたすら鈴音に肩入れして読んでしまいました。
鈴音ほど成功はしていないけれど(笑)立場が近いし、
ある程度は自己責任じゃね?と思ってしまうトコロも近い。


よって、一言で片づけるなら「水絵重いわあ…」です。


でも、もし「親」である状態で読んだら感じ方も違ったのかもしれません。
病み上がりの子にがっつりラーメン食べさせちゃう鈴音も、たしかにちょっと…だし。


綺麗に和解して終わり☆じゃないところがリアルですが、
最後はちょっとだけ救いがある感じで何より(*´ω`)


ここからはがっつり私情なんですが、
実は水絵っぽい同級生がいるんですよね、地元に。
ここまで悲惨じゃないし、その子は要領がいいから
うまく親や周囲に頼れるけれど。


過去に手癖が悪かったり、
時々びっくりするほど図々しかったり。
携帯を変えたのを機に連絡を取らなくなりましたが、
これでよかったのかな…とたまに思ってしまうこともあります。



そういうことを思い返しては、
随所で「うぅ…」と苦しくなりながら、
それでもぐぁーっと勢いよく読めてしまった1冊でした。