日日是独身

30代ずぼら独女の、ゆるかったりしんどかったりする日常。

宮部みゆき「火車」

3月の1冊。

宮部みゆき「火車」


帯…20年間の1位ってすごくないですか(゚Д゚;)
以下ネタバレ含みます。



脚を怪我して休職中の刑事、「本間」さん。
彼のもとに遠縁の「和也」が訪ねて来て、行方不明になった婚約者「彰子」を探してほしいと依頼。
彼女の失踪の原因はおそらく、自己破産の過去があることを和也に知られてしまったから。
しかし、色々調べていくうちに「彰子」と名乗っていたのはまったくの別人「喬子」だったとわかり?!??…


というストーリー。



舞台は1990年くらいなので、「今ならスマホやらLINEでもっと楽に調査できるだろうな」という野暮なことが頭に浮かぶこともありましたが(笑)、手間暇かかっているからこそおもしろいものです。
じわじわ真相に迫っていく感じ、良いです。


ここまで悪質な取り立て屋は現在はそう多くないのでしょうが(私が世間知らずなだけかもしれませんが…)、喬子の置かれていた境遇はとにかく過酷。


もう少しだけ、和也や前の夫「倉田」が頼れる存在であってくれたら…と思ってしまいますが、
(家政婦の「井坂」夫妻と、彰子(本物)の幼馴染「保」夫妻がすごく素敵な夫婦だっただけに、余計感じてしまう)
いざ自分がその立場だったら絶対巻き込まれたくないもんなあ…誰のことも責められない感じです。「育ちの良い男」と「庇護欲をそそる女」のくだりに妙に納得しました(笑)。


ここで終わっちゃうの?とも、まあ、ここがゴールだよなあ…とも思える終わり方でした。



とりあえず、お金は計画的に使うべし…。
大事な人を巻き込んでしまうのがいちばん悲しいですもんね。