日日是独身

30代ずぼら独女の、ゆるかったりしんどかったりする日常。

柚木麻子「伊藤くんAtoE」

2月の1冊。


柚木麻子「伊藤くんAtoE」。


柚木さんの本は「嘆きの美女」「あまからカルテット」「本屋さんのダイアナ」ときて4冊目♪うん、好きだなあ。


アラサーのボンボン、「伊藤くん」と、
彼に振り回される5人の女性の物語。


以下、微ネタバレですのでご注意を。


シナリオライターを目指すと言いながら、
「勉強会に行く」「セミナーに行く」と
言ってばかりで???な「伊藤くん」。


イケメン長身博識らしい。


第三者目線で読んでいる読者としては、
帯にあるように「どこがいいんだ」と
思ってしまう彼ですが、


最後までいくと
「うん、ここまで徹底してるとすごいかも」と
思ってしまいます。


その覚悟と勇気を他のところで使え(笑)と
思わなくもないですが。


登場人物たちが
「結局…、伊藤先輩から目を逸らせない時点で、俺たちの負けなんですよね」と言っているように、
「やべーけどすげーやつ」であることには
違いありません。


そして、柚木さんの書く女の子は本当に可愛らしい。


「AtoE」の女性たちも、リアルで身近に居たら
きっと面倒くさいタイプなんだけれど、
(結局別れられないくせに「どうしよう」って相談してくるとか、「あいつうざい、迷惑」といいながらすっぱり断らないとか…。)


不思議と応援してしまいます。
彼女たちが一歩踏み出した瞬間には
「ようやった!よう言った!」と感動します(笑)。


ドラマ化もされているようで気になります。