日日是独身

30代ずぼら独女の、ゆるかったりしんどかったりする日常。

安藤祐介「宝くじが当たったら」

3月の1冊。


安藤祐介「宝くじが当たったら」


初めて読む作家さん。

あ、タイトル的にあれですが
ハウツー本ではなく小説です。



以下微ネタバレ含みます。


食品会社に勤め、平凡に質素に暮らしている
主人公・32歳。



宝くじが、なんと1等2億円当選。


自身の不注意や身内の軽口から
当選が広まってしまい、
寄付をせまられる、親戚が急に馴れ馴れしくなる、
会社に迷惑がかかってしまう、


しまいにはヤケクソでSNSで自らバラす…。



と、何度も「やめとけー!」と言いたくなるストーリー。
でも、読み進めていくと
彼はある事情で「金の切れ目は縁の切れ目」という
定説を覆したくて必死なのだとわかってきます。
そもそも欲がない人だったんだよね…。
このへんが切ない。


当選時に主人公が思う、
「百万円で十分だったのだ」という
言葉にとても共感。


私もサマージャンボ・年末ジャンボは買いますが、
人格に自信がないので(笑)、「ミニ」にしてます。


100万当たって、半分は貯金の足しにして
半分パーッと使う、くらいがいちばん幸せな気がします。


どんなに高くても、せいぜい物件買って終わる額がいいなあ。
自分だけじゃなく、親や身近な人が
人格変わるのも見たくないし。


とはいうものの、
主人公(と、そのおかん)の失敗をみて
私も考えました。


もし高額当選したら、身近な人には
「額をごまかして伝える」のが
いちばん良いのではないでしょうか。
(黙っていると変な罪悪感を感じそうだから…)


たとえば主人公のように2億なら、


「1千万当たっちゃった、半分おすそ分け」と
親に500万ほど渡すとか


「10万当たったんだー!」と
同僚や友人に一度だけパーッとおごるとか。



それでも、どこかから漏れるものなのかな。
怖いなあ情報社会。


私は、やっぱり買うなら「ミニ」ですね(´・ω・`)。