日日是独身

30代ずぼら独女の、ゆるかったりしんどかったりする日常。

柚木麻子「BUTTER」

とっても遅ればせながら、3月の1冊。

柚木麻子「BUTTER」。


男たちを手玉に取り、死に追いやった容疑で逮捕された「カジマナ」こと梶井真奈子。
週刊誌記者の里佳は、親友・伶子の助言のおかげで彼女と面会できることに。
独自取材を取り付けることに成功したものの、カジマナの言動によって里佳も伶子も振り回され、人間関係にも変化が…。


参考文献を見てもわかるとおり、まあ、あの事件がモチーフですわな。


以下ネタバレ含みます。



…うん。一線を越えてしまうかは別として、こういう女性はいますよね。
すごく美人なわけでも、(少なくとも同性同士の付き合いにおいては)すごく性格がいいわけでもないのに、交際相手が途切れない人。何度も結婚できる人。


周りの女性は、ああはなりたくないと思いながらも、どこかで「なんでこの人にできて私にできないんだろう…」と思ってしまう。ああ、嫌ですねーー(苦笑)。



事件の真相は結局はっきりしなくて肩透かし感もあったのですが、それがテーマじゃない…ミステリー小説じゃないってことなのでしょう。
里佳や伶子の変化・行動はさすがに極端すぎると思いましたが、そうなっても一線を越えずに踏みとどまったのが彼女たちで、とどまれなかった(ほかの方法を知らなかった)のがカジマナ…と思えば納得です。


「欲しいのは崇拝者だけ。友達はいらない」と言っていたカジマナが、実は女友達を作ろうと努力(←ズレてはいるが…)していた、と後半にわかるんですが、ここは結構切なかったです。


人や物事に出会う順番やタイミングが、どこかで少し違っていたら…という感じ。
世の中の「オイオイ」って人は、結局皆そこなのかもしれませんね。


自分も思われていないとは限りませんが(笑)。



外出自粛期間は、いっぱい本を読もうと思います(*^^*)
図書館や本屋に行けないから、アマゾン・楽天が頼りですが。
宅配業者の方々には、本当に感謝です…