日日是独身

30代ずぼら独女の、ゆるかったりしんどかったりする日常。

三浦綾子「氷点」

今月の1冊…に代えて。


正月に実家の本棚から借りてきた、
三浦綾子「氷点」。

おかんが昔ハマっていたらしい。
わたしは、「あー、石原さとみがリメイクドラマ出てたな…」
くらいの印象しかなかったのですが。


正月休みが終わる頃に「氷点」、そしてGWが終わる頃に「続・氷点」を読みました。なんとも暗い休み明け(笑)。


以下、存分にネタバレを含む感想。




「氷点」を読んだ直後は、


・陽子…わかるけどそこまで思いつめなさんな
・夏枝…陽子への態度云々の前に、何があろうと「女」を捨てきれないところにどうしても嫌悪感…
・啓造…色々アレなんだけど、都度反省するから共感してしまう
・徹…重いけどいい兄さん
・北原…好青年
・高木…そもそもこの人が原因な気もするが、憎めない
・辰子…終始気持ちいい人。あの茶の間いいな~
・村井…何だチミは
・松崎…何だチミは


…という小学生のような感想を持ちました。
が、「続・氷点」まで読むと、なるほどそんな単純じゃないのね…とすごく考えてしまいました。


陽子は「続」のほうが人間くさくて共感できる。夏枝は、相変わらず「THE・女」だけど、素直に陽子に謝ったり松崎を放っておけなかったり…と良くも悪くも素直なお人だ。


「好きな人」「共感できる人」イコール「いい人」じゃないんだよな…と、そして、何事も「誰が悪い」って言いきれないんだよな…と、しみじみ感じました。
「茅ケ崎のおじいさん」はすごく素敵な人だと思ったけれど、本人が言うように夏枝をああ育てた張本人なわけで。
村井・松崎・「続」では達哉…という「何だチミは」軍団も、そうなる背景がそれぞれにあるわけで…。なかでも達哉父の事情はすごく重くて。


真面目に突き詰めると、そりゃあ陽子みたいに思いつめてしまうだろう。


人間、真面目さと「いいや、めんどくせえ」を程よくブレンドして生きていかねば…と思いました。


ところで、「流氷が燃える」現象って、本当にあるんですかね??
夕陽でそう見えるんでしょうか。大自然の神秘!