湊かなえ「ポイズンドーター・ホーリーマザー」
1月に読んだ本のなかで、とくに印象に残った1冊。
湊かなえ「ポイズンドーター・ホーリーマザー」
短編集です。
どの話もいわゆる「イヤミス」で、
わかりやすいハッピーエンドは皆無(笑)。
※受け取り方によっては…というものはアリ。
でも湊さんの小説は、話が重くても
文体があっさりめなので、読みやすいです。
表題作の「ポイズンドーター」と「ホーリーマザー」のみ
つながってます。
以下感想なんですが、
微妙にネタバレなようなそうでないような。
未読の方やネタバレ嫌いな方はご注意を。
同じ親のエピソードでも、
こんなひどいことされました、
こんなに傷つきました、って悲劇的に語れば
”毒親”になるし、
「アメトーーク 家族オカシイ芸人」
のノリで面白おかしく語れば
”強烈だけど憎めない親”になる。
子どもがどう消化してどんな人に育つのかで
だいぶ見方が変わってしまうし、
傷つき具合とか傷つきポイントって
人によって本当~に違うから、
こればっかりは難しいなと思います。
作中で、母を「毒親」と思っている娘と、娘の同級生が
「極論に値する人以外文句を言っちゃいけないの?
そしたら苦しんでる大半の人たちは我慢しなきゃいけない」
↓
「いけないと思う。浅瀬でばしゃばしゃもがいている人が
助けてって大騒ぎすると、本当に深いところで溺れている人が
気づいてもらえない。迷惑」
みたいな言い合いをするんですよ。
すごいざっくりまとめてますけど。
小説を最後まで読むと、後者の方が
正しい、みたいな雰囲気になるんですが、
「多様性を認めよう」
「辛いときは甘えていい、逃げていい」
みたいな風潮になりつつある現代に、
コレぶっこんでくる湊さんスゲー。
とりあえず、不幸自慢は「笑える自虐ネタ」に
とどめよう、ということと
「親がいない人だっているのに」とか
「生きたくても生きられない人がいるのに」とか
簡単に言っちゃいけないなー、ということを
両方思った次第です。
読んだ本は手帳に記録する派ですが、
たまには読書感想文も残したいなーという気分になったので。
通勤中は、写真左のブックカバーをつけて
読んでます♪お気に入り。
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