日日是独身

30代ずぼら独女の、ゆるかったりしんどかったりする日常。

垣谷美雨「後悔病棟」

2月の1冊。

垣谷美雨「後悔病棟」。


垣谷さん作品久しぶり。以下存分にネタバレ含みます!



「人の気持ちがわからない」と評判?の医師、ルミ子さん。
あるとき、なんと「胸に当てると患者の心の声が聞こえる」聴診器を拾います。
この聴診器、心の声だけではなく「もうひとつの人生」を見ることもできて…


オムニバスのような形式で、各章の患者さんは
①母に反対されたからといって、芸能界に挑戦しなかったことを後悔している大女優の娘
②仕事ばかりで家族との時間を大事にしてこなかった会社員
③娘(40代)がいつまでも独身で、若い頃結婚を反対したせいかと心配している母親
④中学時代に無実の友人を庇えなかったことを後悔している会社員
…と、皆「もしあの時こうしていたら」を抱えたまま、もう長くないことを覚悟しています。(※うち1名は奇跡的に回復しますが)


私は②がとっても好きでした。いちばん短い章なんですけど。
なんというか、これは批判とかじゃないのですが、
垣谷さん作品って「家庭をないがしろにしてきたオッサン」にすごく厳しいじゃないですか(笑)。スカッとを通り越してちょっと可哀想になるくらい💦
(歳をとるにつれてオッサン側に共感するようになってきた私。笑)


でもこのお話は、「家族との時間を大切にするルート」を経験することで
ただただ後悔して謝って仲直り…じゃないのが良かった。
じゅうぶん、格好良いお父さんだったと思います。


語彙力が足りないので気になる方は読んでください✋。


当然のように「自分だったら」を考えてみましたが、
やり直したいポイントはいくつか思い浮かんだものの
「またアレ経験すんのか、面倒くさい」という気持ちが勝ちました。
私のことだから、そこでしくじらなかったとて別のところでしくじる自信があります←


でも、いざ余命宣告されたらそうもいかないんだろうなあ…
日々、自分で選んだんだからしょうがねえや精神で穏やかに生きたいものです。